イタリアにBIOFIBRE®︎という人工毛植毛の研修に来ています。
春にモナコの学会の企業展示ブースで、BIOFIBRE®︎という人工毛植毛を扱う会社に出会いました。
自毛植毛というのは、自分の毛を取って自分に植えて、生着したらその毛はそこでちゃんと伸びたり生きる方法で、採って別の位置に植えるので毛の総本数が増えることはなく、頭頂部だけが薄くなるような男性にはとても有用ですが女性のように全体が薄くなっていくタイプには難しい治療です。
人工毛植毛は読んで字のごとく、人工毛を植えるので、簡単に毛の総本数をたくさん増やすことができます。
ただ、人工毛植毛については黒歴史があります。
1976年ごろに、なんと日本から始まったこの技術は、アメリカにも広まり、様々なタイプの脱毛症にも有効ということで即座に広まりました。
しかし、その人工毛の素材、移植の衛生的環境、患者の選択(基礎疾患や頭皮環境)、術者の技術、などを重視しなかったために、様々な、時には重篤な合併症を引き起こし、日本でも大変な問題を引き起こし、ついにはアメリカでも1983年にはFDAが人工毛植毛を禁止する、という事態なりました。
現在日本でも、ある種の人工毛植毛は一部では行われているようですが、私を含め多くの医師の中で、あまり行わないように勧める傾向があります。
今回のBIOFIBRE®︎という人工毛植毛は、生体適合性が高く非常に安全で、一度施術をすると7〜8年持ち(年に10%のロス)、男性女性を問わず短時間、低侵襲で治療ができる、ということです。
飛びつかずに懐疑的な姿勢で臨みつつ、論文などをいくつか読み、適切な手技や術後管理を学べば素晴らしい治療だと思ったので、今回それを学ぶべく研修を受けることを決めました。
疑問点などをいくつか持っていき、今日はたくさん質問しましたし、納得のいく答えを得て、とてもいい治療法だと思いました。
施術時の衛生環境、患者の基礎疾患、施術後の衛生管理の指導、テスト植毛の大切さ、定期的な観察、炎症時の対応、万が一の感染や炎症の際(2%)には完全に抜去でき瘢痕を残さないこと、などを学びました。
明日は実際の患者様への施術を見せていただき、私も施術させていただけるようで、楽しみです。
また書きます。
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