先月の美容皮膚科学会でのピコレーザーの講演で、宮田成章先生がご発表されていた、スキンケア肝斑についてご紹介したいと思います。
肝斑はこすり過ぎ、刺激や摩擦が原因とも言われていますが、それらが肝斑の発症原因になっているという照明はされていないが、
こすり過ぎや摩擦によって、いわゆる肝斑様の色素斑ができるのは、日常の診療をしていても日々遭遇するもので、
こういった要因ででてくるものをスキンケア肝斑と呼ぼう、ということでした。
スキンケア肝斑は、スキンケアの改善や、トラネキサム酸内服で改善するものであり、
スキンケア肝斑に対してのレーザートーニングは禁忌、
スキンケアや内服治療でも無効の肝斑に対してであれば、レーザートーニングは選択肢の1つとなる、
というものです。
とても興味深いご講演で、レーザートーニングに関しては賛否両論ありますが、そもそもの肝斑の定義がズレているとそもそもの議論が成り立たないので、これでクリアになったのではないかなと感じました。
メラノソームの熱緩和時間の内容もとても勉強になり、色々なことをしっかりと理解した上で治療をしないといけない、と思いました。
さて、
こちらの患者様はスキンケア肝斑です。
お顔のマッサージを下から上まで毎日されていたということでした。
左が治療前で、口横から頬前面、頬骨外側に肝斑様色素斑が出現しています。
右は治療開始後4ヶ月。
スキンケアの改善とトラネキサム酸等内服、ゼオスキンのバランサートナー、ミラミン、デイリーPDでのケアをしていただいて4ヶ月で、とてもきれいになりました。
(肝斑ピールのモニターをしていただいておりました。この期間には1回だけ肝斑ピールが入っており、この後4回施術しておりますが、色素斑の改善は上記の治療によるものがほとんどです。)
肝斑ピールはモニター期間が終了し、効果は判然としなかったため、採用をとりやめました。
どこまでを肝斑、スキンケア肝斑、と診断するのかは難しいですが、スキンケアや内服、紫外線ケアなどをまず徹底するのが良いですね
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